「この製品を10秒で作れる設備をお願い、あとは任せるから」 そんな丸投げ発注がまかり通る大手メーカーの現場で、今、「仕様書をまとめられるエンジニア」が圧倒的に不足しています。 独立活動の2社目、大手専門商社との商談で見つけたのは、AIには決して代替できない「泥臭い技術」への強烈な需要でした。
独立・副業に向けた営業活動の第2弾。今回は、前職時代にお世話になっていた「大手専門商社」の営業担当の方と打ち合わせをしてきました。
結論から言うと、「設備設計から立ち上げまで、内製でやりきった経験」は、社外に出るととてつもない武器になるということを再確認できました。
今回は、商社マンが抱える「技術不在の悩み」と、そこに対して私が提案した「技術の通訳」としての役割についてお話しします。
6年経っても「味方」でいてくれる関係性
今回お話ししたのは、私が退職して6年以上経つ、前職時代の取引先(商社)の方です。 退職後もたまに飲みに行く関係が続いており、今回もすぐに時間を作ってくれました。
私が現役時代、商社やメーカーと接する時に心がけていたことがあります。それは、「内製の大変さを理解した上で頼む」ということです。 私自身、自分で図面を引き、組み立て、立ち上げまで行っていたため、 「これをやるのにどれだけの手間とコストがかかるか」 が痛いほどわかります。
無理な短納期をお願いする時も、「ただ早くしろ」とは言わず、「工程的にかなり厳しいのは承知していますが、ここだけは何とかお願いします」と、相手の苦労を理解したコミュニケーションをとっていました。 退職を伝えた時に「味方が一人いなくなってしまいますね」と言われたことは、今でも忘れられません。
「会社の看板を外した時、最後に自分を助けてくれるのは『過去の仕事ぶり』だけ」 前回のメーカーとの打ち合わせでも感じましたが、独立を目指す私にとって、当時の信頼関係は何よりの財産になっています。
👉前回のメーカー(元下請け様)との打ち合わせ記事はこちら。 合わせて読みたい
【独立準備】「元下請け」が「クライアント」に変わる時。10年越しの営業担当との縁が、フリーランス初案件を運んできた話
「伝書鳩」では生き残れない商社の危機感
さて、今回の商談で私が提案したのは以下の4点です。
- CADの操作教育
- 機械要素・加工・組立知識の教育支援(エアシリンダとは何か?レベルから)
- 客先仕様書レビュー支援
- 初期検討段階からの設備構想支援
なぜこの提案をしたか? それは、「右から左へ流すだけの商社は、もう顧客から必要とされていない」と感じていたからです。 私自身、客の立場として「一緒に打ち合わせに出ているだけで、技術的な話ができない営業マン」には価値を感じません。
「技術的な話ができる営業がいれば、もっと仕事が取れるはず。でも社内にエンジニアがいないなら、教育や技術支援を外注しませんか?」 この私の仮説は的中しました。相手方も同じ危機感を持っていたのです。 「一番いいのは転職してウチに入ってほしい」とまで言われましたが(笑)、そこは独立志向なので丁重にお預かりしました。
「仕様書が書けない」大手エンジニアたち
商談の中で特に盛り上がったのが、「大手メーカーのエンジニア、仕様書書けなさすぎ問題」です。
今の生産技術の現場では、詳細な設備仕様を提示できず、「なんかいい感じにお願い」と丸投げし、後になって「思ってたのと違う」「追加費用だ」と揉めるケースが多発しています。 実際、私の今の職場も私が入社するまではそんな状態でした。
ここで求められるのが、「客先仕様書レビュー」や「設備構想支援」です。 顧客のフワッとした要求を、具体的な仕様書・構想図に落とし込む。これは、汎用機ではなく「専用設備の設計」を内製で経験した人間にしかできないスキルです。
大手4社を渡り歩きましたが、これができるエンジニアは社内でも希少種です。 「自分にとっては当たり前のスキルが、外では希少な高単価スキルになる」 これに気づけたことは、今までのキャリアが報われた瞬間でもありました。
まずは「教育」で実績作り。そして独立へ
とはいえ、副業の段階では「仕様書作成」や「構想検討」のような、緊急度が高く手離れの悪い仕事はハードルが高いのも事実です。 そこで、まずは「② 機械要素・加工・組立知識の教育支援」からスタートし、実績を作ることで合意しました。
しかし、相手が本当に喉から手が出るほど欲しいのは、③や④の「実務支援」です。 「副業レベルでは、一番美味しい仕事は受けきれない」 このもどかしさが、「今年は実績作りを徹底し、来年には絶対に独立してやる」という強いモチベーションになりました。
まとめ:自分にしかできない仕事で頼られる喜び
機密保持契約やセキュリティ環境(PC貸与など)の課題はありますが、商社の中で稟議にかけていただけることになりました。
会社の看板ではなく、「○○さんの技術が必要だ」と言ってもらえる。 この感覚は、組織の中で歯車として働いている時には味わえない高揚感があります。
早くそのステージに立ち、フルタイムで彼らの課題を解決できるよう、今は着実に準備を進めていきます。
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