生産技術はつらい?他部署からの無茶ぶりと「設備手配屋」の末路

キャリア・転職

「生産技術って、最先端のロボットや設備をバリバリ設計するんでしょ?」

もしあなたがそんな夢を抱いて大手メーカーに入社したなら、すぐに現実の「つらさ」に打ちのめされるはずです。 なぜなら、大手メーカーの生産技術が「自分の手で設備を設計する」ことは稀だからです。大半は、仕様書を書いて外部の設備メーカーに丸投げする「外注」が基本になります。

そして、外注した設備が完成した時に待ち受けているのが、生産技術の仕事の中で最も理不尽で、最も胃に穴が空くイベント——「設備立ち合い」です。

今回は、私が大手4社を渡り歩いて幾度となく経験してきた「他部署と設備メーカーの板挟み地獄」と、そこでただの「設備手配屋」に成り下がらないための生存戦略を、綺麗事抜きで語ります。

1. 「生産技術はつらい」の正体:地獄の立ち合いと板挟み

設備メーカーへ出向いて行う「立ち合い(完成チェック)」。 これ、生産技術の担当者だけで行くわけではありません。製造部門、品質管理、安全部門など、関係部署のメンバーが「一応」という感じでゾロゾロとついてきます。

そして、この「他部署の連中からの指摘」こそが、立ち合いを地獄に変える元凶です。

自動車メーカーの立ち合いではチェック項目が何百もあり、気が狂うほど細かく見られます(逆に、電機メーカーは適当すぎて気楽でしたが)。 他部署の人間は、自分たちが作っているわけではないので、好き勝手に「どうでもいいような指摘」をガンガン飛ばしてきます。

私はそれを聞きながら、「うわ、また修正が増えた…これ、どうやって設備メーカーに頼み込もう…」と内心冷や汗を流しています。他部署と設備メーカーの間に挟まれ、両方から嫌な顔をされる。この「板挟み状態」こそが、生産技術が「つらい」と言われる最大の理由です。

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【転職3年目後半】製造/保全と設備メーカーの板挟み…“地獄の立会い”を乗り越えて

図面を読めない製造部門の「後出しジャンケン」

特にひどいのが製造部門です。 実際のモノを見てから、「作業者がここに手を入れるから、ここはこうして」と、平気で後出しジャンケンのような要求をしてきます。

「いや、それ図面段階でチェックして合意したよね?」と言いたくなりますが、彼らの中には図面を読めない人間も平気で混ざっています。図面で指摘できなかったくせに、実物を見てから「俺はこんなの聞いてない」と騒ぎ立てるのです。

これを図面通りに作ってくれた設備メーカーに「直して」と伝える私の身にもなってほしいものです。

知識ゼロ・責任逃れ全開の「安全部門ガチャ」

さらに厄介なのが安全部門です。 安全基準というのは意外と曖昧で、「落とし所」を決めるのが非常に難しい。それなのに、「こんなところでケガしないでしょ?」というミリ単位のイチャモンをつけてくる輩がいます。

知識がちゃんとある担当者なら良いのですが、最悪なのは「知識はないけど、後で何かあった時に自分の責任になるのが嫌だから、とりあえず指摘だけしておく」という保身100%の人間です。 そういう「ハズレの担当者ガチャ」を引くと、対策案を一緒に考えることすらなく、ただ文句だけを垂れ流されます。本当に厄介です。

2. 「直しておいて」が命取り。内製経験がない大手の悲劇

こうした理不尽な指摘の数々を、無償で、しかも短納期で直してもらうよう設備メーカーに交渉しなければなりません。無料での修正対応なんて、設備メーカーからすれば大赤字の地獄です。

ここで、絶対にやってはいけない大失敗があります。 それは、大手の看板に胡坐をかいて「じゃあ直しといて。よろしく」と上から目線で言い放つことです。

なぜ彼らは「甲」ヅラをしてしまうのか?

大手メーカーの生産技術には、自分で設備を設計・製作した「内製経験」がない人間がたくさんいます。 自分で手を動かしたことがないから、「その修正にどれだけの時間とコスト(加工費、材料費、設計のやり直し)がかかるのか」を全く想像できないのです。

だから平気で「甲」の態度をとり、設備メーカーの信頼をズタズタにします。信頼関係が壊れれば、次にトラブった時に絶対に助けてもらえません。

現場を知る人間の「交渉術」

私は1社目で嫌というほど内製を経験してきたため、設備メーカーの大変さが痛いほどわかります。 だからこそ、他部署からの理不尽な指摘を持ち込む時は、「本当に申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします」と、相手の苦労を理解した上で、徹底的に下出に出ます。

「〇〇さん(私)は、ウチの大変さをよく分かってくれるから助かりますよ」 設備メーカーの担当者にそう言ってもらえれば、仕事は圧倒的に進めやすくなります。設備メーカーとの強固な信頼関係は、いざという時の自分の最大の武器になるのです。

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結論:「設備手配屋」に市場価値はない

設備メーカーに丸投げして、他部署のワガママを横流しするだけ。 そんな「ただの設備手配屋」になってしまえば、あなたの市場価値はゼロになります。転職市場で評価されるのは、手配の手続きを知っている人間ではなく、技術的な裏付けを持って、社内外を調整できる人間」です。

若いうちは、泥臭くても「内製」を経験できる環境に身を置くことを強くお勧めします。 図面を引き、部品を削り、自分で組み立てた経験の「痛み」を知らなければ、一生モノのスキルも、メーカーとの信頼関係も築くことはできないのですから。

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