設備設計は○○で覚えろ!△△しか知らない“調整屋”が30代で詰む理由【図解で解説】

キャリア・転職

生産技術の仕事には、大きく分けて「設備の内製(自社設計)」と「外製(メーカー依頼)」の2つの文化があることを知っていますか? 結論から言うと、20代のうちに「内製」を経験しておかないと、将来は図面の描けない「ただの調整屋(パワポエンジニア)」になってしまうリスクがあります。 今回は、大手4社で両方のスタイルを経験した私が、内製・外製の決定的な違いと、技術者として生き残るためのキャリア戦略を解説します。

「内製」と「外製」は何が違うのか?【図解】

一言で「設備の導入」といっても、そのプロセスは会社の方針によって天と地ほどの差があります。まずは、この全体像(フロー)を理解しましょう。

  • 内製: 構想から設計、部品の手配、組立、配線、立ち上げまでを「自分たちの手」で行うスタイル。
  • 外製: 仕様書を作成し、設計・製作は「設備メーカー」に依頼するスタイル。自分は管理監督がメイン。

大手企業ほど「外製」がメインになりがちですが、実は技術者として一番面白い(そして実力がつく)のは、圧倒的に「内製」のフェーズです。

なぜ20代は「内製」ができる環境を選ぶべきなのか

私が20代を過ごした1社目は、幸運にも「完全内製」の環境でした。 自分で図面を描き、部品を発注し、六角レンチを持って組み立て、電気担当と連携して試運転をする。この経験があったからこそ、断言できることがあります。

部品のコスト感覚が身につく

自分が書いた図面を加工メーカーへ、自分が選定した購入品(モータ・センサなど)を商社から見積もり取得すると、部品1点1点の金額がわかり、コスト感覚が身に付きます。
外製だと見積もりには一式〇〇〇万円としか書かれないため、何が高いのか、この金額は妥当なのかという感覚が身に付きません。根拠もないのに「高い」と設備メーカーに言ったりしてしまうと、いい関係性が保てません。実際に外製しか経験していない人でそういう人を見てきました。

自分の設計ミスを「肌」で感じることができる

内製の最大のメリットは、「自分で描いた図面の不備を、組立・調整の段階で痛感できること」です。

  • 「手が入らなくてボルトが締められない」
  • 「センサーの位置が悪くても調整がやりづらい」
  • 「剛性が足りなくて振動する」

これらは、パソコンの前(CAD)で設計しているだけでは絶対にわかりません。現場で冷や汗をかきながら修正した経験こそが、「次はこうしよう」という生きた設計センスとして体に刻まれます。 これがないまま管理業務(外製)に行くと、メーカーの図面を見ても良し悪しが判断できず、適切な指摘ができないエンジニアになってしまいます。

「パワポエンジニア」になると後戻りできない

ずっと外製メインの環境にいると、仕事の大半が「社内報告用の資料作成(PowerPoint)」と「予算管理」になります。 いわゆる「パワポエンジニア」です。 もちろんプロジェクト管理も重要なスキルですが、「いざとなれば自分で作れる」というバックボーンがある人と、「管理しかやったことがない人」では、30代以降の市場価値(と技術者としての自信)に圧倒的な差がつきます。

狙い目はどっち?業界による「内製・外製」の傾向

では、具体的にどんな会社に行けば「内製」ができるのでしょうか? 実は、扱う設備の「工程」や「業界」によって傾向がはっきりと分かれます。

狙い目は「後工程(組立・検査)」の専用機

設備には大きく分けて2つの工程があります。

  1. 前工程(粉体・成形など): 材料を加工する工程。専門的なノウハウが必要で内製が難しいため、「専門メーカー製の汎用機」を買う(外製)のが一般的です。
  2. 後工程(組立・検査・梱包): 製品を組み立てたりチェックしたりする工程。製品形状に合わせた「専用設計」が必要になるため、内製化(自社設計)のチャンスが多くなります。

自動車・電機・電子部品メーカーは「内製」が多い

私の経験上、以下のような住み分けがあります。

  • 外製寄り: 材料メーカー、食品メーカー(専門の装置を買う文化)
  • 内製寄り: 自動車メーカー、電機メーカー、電子部品メーカーの組立工程

「自分のアイデアを形にしたい」「技術力をつけたい」なら、後工程の設備設計ができる自動車・電機・電子部品系を目指すのがおすすめです。

キャリアの最適解は「内製 → 外製」の順番

一生「内製」で手を動かし続けるのも楽しいですが、年収アップや大規模プロジェクトを狙うなら、いずれは「外製(マネジメント)」も経験する必要があります。

ここで重要なのが「順番」です。

  • 〇 正解ルート: 若いうちに「内製」で泥臭く技術を覚える → 30代で「外製(大手)」へ行き、技術がわかるPMとして活躍する。
  • × 苦労ルート: 最初から「外製(大手)」で管理だけ覚える → 技術的な裏付けがないため、メーカーにナメられたり、トラブル対応ができなかったりする。

私は1社目の20代で「内製」の苦しさと楽しさを骨の髄まで味わいました。だからこそ、その後の3社で外製設備を担当した際も、メーカーと対等以上のレベルで技術的な議論ができ、プロジェクトを成功させることができました。

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まとめ:若い頃の「油まみれ」は一生の財産になる

もしあなたが今、「毎日現場で調整ばかりで辛い」「もっとスマートに働きたい」と思っているなら、少し見方を変えてみてください。 自分で設計し、組み立て、動かなかった設備が、苦労の末にウィーンと動き出す瞬間。 この「モノづくりの手触り感」を知っているエンジニアは強いです。

20代のうちは、あえて泥臭い「内製」ができる環境に身を置き、技術の貯金を貯めてください。その貯金は、将来どんな大手企業に行っても通用する「最強の武器」になります。
大手企業になると資料作成や上司への説明ばかりで、自分でやれてた時の方が楽しかったときっと思います。

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