「生産技術はきつい仕事だ」 ネットで検索すると、そんな言葉ばかりが出てきます。これからこの職を目指す方や、今まさに現場で揉まれている若手エンジニアにとって、これは死活問題ですよね。
結論から言います。生産技術は、間違いなく「きつい」です。 私も40代前半となった今は月10時間程度の残業で済んでいますが、20代の頃は月80時間残業が当たり前。年間500時間以上残業した年もありました。
しかし、4社を渡り歩きキャリアアップした今だからこそ断言できることがあります。 それは、「若いうちの『きつい』経験こそが、将来のキャリアを最強にする」という事実です。
今回は、自動車メーカーと電機メーカーの両方を経験した私が、生産技術のリアルな「きつさ」と、それを乗り越えた先にある「キャリアの最適解」について解説します。
生産技術が「きつい」と言われる3つの理由【実体験】
私がこれまで4社(大手電機、自動車メーカーなど)で経験してきた中で、生産技術が特に「きつい」と感じる瞬間は共通しています。
1. トラブルが解決するまで「帰れない」プレッシャー
生産技術の仕事には「定時」という概念が通用しない場面があります。 それは、設備の突発トラブルです。
- 止まった瞬間、製造部門からの怒号
- 「いつ直るんだ?」という上司からの無言の圧力
- 自分の予定していた業務はすべてストップ
設備が直るまでは帰れませんし、復旧の目処が立たない時の絶望感は何度味わっても慣れるものではありません。特に大手メーカーからの短納期案件を抱える設備メーカーなどは、夜遅くや土日でも容赦なくメールが飛んでくるのが現実です。
2. 「動いて当たり前」という減点方式の評価
生産技術の辛いところは、「設備は動いて当たり前」と思われていることです。 苦労して設備を導入しても、順調に稼働すれば評価は「0点(普通)」。逆にトラブルが起きれば「マイナス(減点)」という感覚になりがちです。
基本は一発勝負。試作フェーズがなく、製作後に大きな変更ができないプレッシャーは、この職種特有の胃の痛くなるポイントでしょう。
3. 世間が休みの時こそ「仕事」
これは生産技術の宿命ですが、大規模な設備工事やレイアウト変更は、ラインが停止している「休日」や「大型連休(GW、お盆、正月)」に行われます。 大手であれば振替休日は取れますが、友人と予定が合わせにくく、孤独を感じることも少なくありません。
【業界比較】「自動車」と「電機」では地獄度が違う
一口に「生産技術」といっても、業界によってその「きつさ」の質は全く異なります。私の経験をお話しします。
「自動車メーカー」は軍隊的だが、得られるものも多い
私が2社目で経験した自動車メーカーは、正直かなりきつかったです。
- 現場が怖い: 製造現場だけでなく、保全、安全部門からも容赦ない指摘が飛んできます。
- 徹底的な管理: 自分の考えた仕様に対し、多くの部門からダメ出しを受けます。
しかし、振り返ってみると自動車メーカーでの厳しい環境で揉まれたおかげで、技術力、折衝力、メンタルタフネスが徹底的に鍛えられました。
👉2社目の自動車メーカーの記事
【2社目総集編】生産技術エンジニア|試作・量産設備・働き方・価値観の整理と2回目の転職の決断
「電機メーカー」はライフワークバランス重視
一方、現在(4社目)の電機メーカーは、自動車業界に比べると非常に穏やかです。 現場の人もそこまで怖くなく、月10時間程度の残業でライフワークバランスが保てています。正直、自動車時代の感覚からすると「周りは仕事をなめているのか?」と思うほど緩く感じることもあります。
👉1社目の電機メーカーの記事 ※4社目の記事は現職のため退職後に書きます
【1社目総集編】大手電機メーカー生産技術エンジニア1社目で得た全経験とキャリアの土台
保全が機能しているかで天国と地獄が分かれる
生産技術が楽かどうかは、
保全がちゃんと機能しているかで大きく変わります。
- 保全がしっかり → 導入後は呼ばれにくい
- 保全が弱い → 設計しながら現場対応もする地獄
この点は、就職・転職時に必ず確認すべきポイントです。
若いうちに「ぬるい環境」にいると詰む?
ここで伝えたい重要な戦略があります。 「楽そうだから」といって、新卒や20代のうちから「ぬるい環境(残業なし・現場力不要)」を選ぶのは危険だということです。
20代の「泥臭い経験」が30代の資産になる
私が今、ホワイトな環境で好条件で働けているのは、20代の頃に自動車メーカーなどの厳しい環境で「現場の厳しさ」と「実務スキル」を叩き込んだからです。
年齢を重ねてから実務を覚えようとしても、プライドや環境が邪魔をして難しくなります。若いうちに汗をかき、現場のおっちゃんに怒鳴られながら覚えた技術こそが、30代以降のキャリアを支える「最強の資産」になります。
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まとめ:生産技術は「つぶしがきく」最強の仕事
生産技術はきつい仕事です。しかし、それ以上に「メリット」も大きい仕事です。
- モノづくりの楽しさ: 自分の考えた設備が動き、製品が生み出される瞬間は何物にも代えがたい喜びです。
- 市場価値の高さ: 求人が多く、技術さえあれば業界を超えて転職が可能です。食いっぱぐれることはまずありません。
きついのは「修行期間」である20代〜30代前半だけと割り切りましょう。 まずは実務をしっかり詰め込める環境(大手、または大手子会社など)でスキルを磨き、その後にライフワークバランスの整った企業へ「即戦力」として転職する。
これが、私が実体験から導き出した「生産技術職のキャリアの最適解」です。


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